サンキライとサルトリイバラ
先日白金台にある国立科学博物館附属自然教育園に行き、
園内を楽しく散策しました。
初冬ということでしたので、
主な植物は枯れていて、寂しい感じは否めなかったのですが、
赤い実をつけた数種類の木がありました。
センリョウ、マンリョウ、アオキ 、サルトリイバラ、ナンテン。ノイバラなど
わずかに残った緑の葉に、補色の関係である鮮やかな赤い実が
冬の景色に彩りをあたえていました。
赤い実には小鳥が集まってきます。
小鳥は赤を識別することができて、餌を食べるために
集まってきます。
そんなことから、赤い実をつける木のことを
【誘鳥木】ユウチョボクといいます。
ちなみに梅もこの仲間に入るそうです。
自然教育園はいくつかのエリアに別れていて
その中の武蔵野諸物園にサンキライがわずかながら
ありました。
標識には「サルトリイバラ」とあります。
以前書いたブログにはサンキライとサルトリイバラは
呼び名が違うだけで同じものであると書きましたが、
この植物園では、そんな併記はありませんでした。

サルトリイバラ
サルトリイバラ科シオデ属の多年生植物、学名はSmilax china
ツルにトゲがついていて、自然の猿も嫌がることから
サルトリイバラの名前がついたと言われます。
花期は2月から5月 赤い実は9月から11月
繁殖場所は北海道以南、中国から東南アジアに分布
サンキライ
学名はSmilax glabra
ツルにはトゲがついていません。
花期は6月から11月 赤い実は11月から4月
中国からインドにかけて分布
根茎は土茯苓(ドブクリョウ)という漢方に
使われています。
サルトリイバラとサンキライは別のもの
実はサルトリイバラとサンキライは別のものだったのです。
冬になると花市場で売られているのはサンキライ。
いつも山に入り採集してくるものはサルトリイバラです。
柏餅の葉に使われるのも、こちらです。
山に入ってサルトリイバラを見つけるコツは
丸い葉っぱを目印にすると簡単に見つかります。
山だけででもなく、近所の茂みをよく見ると、
丸い可愛い葉が木にまとわりついているのを
時々見かけます。
サンキライ ? サルトリイバラ? 自生しているのは
どちらか分かりませんが、トゲがあるかどうかを調べ
これからは判断してみます。
でもこの丸い葉っぱはカワイイです。だんだんと好きになってきました。